いま住んでいるマイホームを売って新しいマイホームを買うときには税金の問題を考える必要が出てきます。
マイホームを買い替える場合は、買い替え特例を使って有利な方法を選択したいものです。
では、マイホームの特例とは具体的にどんなものがあるのでしょうか?
このページでは、マイホームを買い替えたときに損しないように特例を使って税金を安くする方法を分かりやすくお伝えします。
マイホームの買い替え特例のしくみ
マイホームを買い替える時に税金を安く抑えるために特例を利用するのが最善です。
特定の居住用財産の買い替え特例とは?
マイホームを買い替える場合、新しい家の購入金額の方が高い場合と安い場合があります。
当然のことながら、購入金額の方が安い場合は売却時の利益が出ることになります。
このことを譲渡所得と言います。
そして、譲渡所得が出ると収入があったと見なされこの利益に税金がかかります。
注意したいのは、税金を免除されるわけではなく先送りされるということです。
先送りされた税金は、将来また買い換えをした際にその分を含めて課税されます。
特定居住用財産の買い替え特例の条件
売る家の条件
- 売却した年の1月1日時点で10年を超えて所有していること
- 居住期間が10年を超えていること
- 既に転居している場合3年以内であること
- その土地と家の両方の売却であること
- 他の特例を受けていないこと
- 売却代金が1億円以下であること
- 自分が住んでいた家であること
- 売却した翌年に確定申告をしていること
買う家の条件
- 翌年の12月31日までに購入すること
- 床面積が50㎡以上500㎡以下であること
- 購入の翌年12月31日まで入居すること
- 中古住宅の場合は新築25年以内、新耐震基準に適合していること
- 自分が住む家であること
3000万円特別控除および所有期間10年超の軽減税率とは?
マイホームの買い替え時に売却金額から必要経費だけでなく3000万円を差し引いて税金の計算を出来る特例です。
更に所有期間10年超なら税率が軽減されます。
譲渡所得(売却利益)のうち6000万円以下の部分が通常なら20.315%の税率が14.21%に軽減されます。
3000万円特別控除が適用される条件
- 配偶者、直系血族、同一生計の親族等(特別関係者)への譲渡ではないこと
- 前年、前々年にこの特例の特例を受けていない(この特例は3年に1回しか受けられない)
- 譲渡した年、前年、前々年に居住用財産の買い替え特例や譲渡損失の繰越控除等の適用を受けていない
居住用財産の譲渡による軽減税率の条件
- 配偶者、直系血族、同一生計の親族等(特別関係者)への譲渡ではないこと
- 居住用財産を譲渡した年の1月1日に所有期間が10年を超えていること
- 前年、前々年にこの軽減税率の適用を受けていないこと
- 確定申告が必要であること
マイホームの買い替え特例は有利な条件を試算して選ぼう
マイホームの特例は、前述した特定居住用財産の買い替え特例意外に3000万円特別控除および所有期間10年超の軽減税率というのがあります。
しかし、両方を併用することは出来ません。
どちらが有利になるのかを試算して選ぶ必要があります。
ではここで事例を挙げてみたいと思います。
特定居住用財産の買い替え特例を使った場合
4500万円−3000万円=1500万円【課税される利益】
(3000万円+200万円【譲渡費用】)×(1500万円÷5000万円)=960万円【必要経費】
1500万円−960万円=540万円
540万円×20.315%【長期譲渡所得の税率】=109.701万円【税額】
特定の居住用財産の買い替え特例を使った場合の税額は109.701万円となります。
3000万円特別控除+所有期間10年超の軽減税率を使った場合
4000万円−(3000万円+200万円)−3000万円=−800万円
控除される3000万円よりも課税される金額が低いため、税金はかかりません。
つまり、特定居住用財産の買い替え特例ではなく、3000万円特別控除のほうを使用すれば税金が”0”になります。
マイホームを売却した際に赤字になるときの救済措置
マイホームを買い替えた場合、利益がでるよりも損失が出る方が多いと言えます。
もし前の家のローンが残っていた場合、売却した家が購入した家より安いと2重ローンとなり返済が大変になります。
その救済措置として「居住用不動産の譲渡損失の損益通算と繰越控除」と言うのがあります。
居住用不動産の損益通算と繰越控除とは?
簡単に言うと家を売ったときの損失と他の所得との間で損益通算ができるしくみです。
そして、その年の所得から引きれなかった損失があれば、翌年以降に繰り返してその年の所得から繰越控除として差し引くことが出来ます。
この繰越は最長3年間できます。
この場合、住宅ローンの残金がなくても適用できます。
マイホームを売却した翌年に確定申告をする必要があります。
※譲渡損失の損益通算と繰越控除の適用条件などの詳細については国税庁のホームページをご参照下さい。
まとめ
家を買い替える場合にも税金がかかります。
しかし、上手く特例を利用することで税金を軽減することが可能です。
先ずは、どの特例が使えるか、そしてどの特例を使うのが一番税金を軽減できるのかを確認することが大切です。
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