ハウスメーカーや工務店を選ぶ際、どんな断熱材を使用しているのかも視野に入れたいですよね。
では、どの断熱材が最も省エネ効果が高いのでしょうか?
建築会社で主に使用されている4つの断熱材の系統をそれぞれ比較してみました。
断熱材には、無機繊維系、木質繊維系、天然素材系、プラスチック系の4つの系統があります。
それぞれメリットとデメリットがあるので詳しくお伝えしていきましょう。
断熱材の8つの種類
住宅建設に使用されている断熱材は全ての系統を含めると主に8つあります。
それぞれの特徴、メリットとデメリットを比較してみました。
無機繊維系
グラスウール
ガラス繊維で出来た断熱材です。
低コストなので多くの建築会社で採用されています。
グレードがあり、高グレードの断熱材は断熱等性能等級4に対応している製品もあります。
グラスウールのメリット
- 価格が安い
- 防音性能が高い
- 火災に強い
- 劣化しにくい
- 発がん性リスクが低い(国際がん研究機関(IARC))【参照:ガラス繊維協会グラスウールの安全性】
グラスウールのデメリット
- 湿気に弱いので施工技術が必要
- 施工技術によって差が出る
ロックウール
岩石や鉱物から造られた断熱材です。
ロックウールのメリット
- 火災に強い
- 吸音性があり、防音効果が高い
- 害虫がつきにくい
ロックウールのデメリット
- 湿気に弱い
- 重いので脱落しやすい
木質繊維系
セルロースファイバー
古紙が原料です。元々は木材が原料なので体に優しいとされています。
セルロースファイバーのメリット
- 調湿効果があるので結露に強い
- わずかなスキマも埋めることができる
セルロースファイバーのデメリット
- 値段が高い
- リフォームに使用するのは難しい
天然素材系
ウールブレス
羊毛の断熱材です。
ウールブレスのメリット
- 防虫効果が高い
- 調湿性が高い
- 耐久性に優れている
ウールブレスのデメリット
- 値段が高い
- 扱っている建築会社が少ない
炭化コルク
ワインの栓などの端材を利用して炭化した断熱材です。
炭化コルクのメリット
- 防音効果が高い
- 防虫効果がある
- 調湿性能が高い
- 値段が高い
プラスチック系
硬質ウレタンフォーム
プラスチック製で無数の細かい気泡を発生することによって断熱効果を発揮します。
吹きつけタイプの物もあるので需要が高いと言えます。
硬質ウレタンフォームのメリット
- 断熱効果が高い
- スキマ無く吹き付けることができる
- 湿気に強い
硬質ウレタンフォームのデメリット
- 柱の収縮でスキマが出来、経年により断熱効果が弱まる可能性がある
- 値段が高い
- 火災の際、有毒ガスを発生させる可能性がある(参照:日本ウレタン工業協会)
フェノールフォーム
板状に形成した断熱材です。(プラスチックボード系断熱材)
フェノールフォームのメリット
- 熱伝導率が低い
- 湿気に強い
- 施工性
- 施工性が高く機密性が高い
- 長期間安定する
フェノールフォームのデメリット
- 値段が高い
- 紫外線で劣化する
- 衝撃に弱い
ポリスチレンフォーム
板状の発泡スチロールです。
ポリスチレンフォームのメリット
- 湿気に強い
- 軽量でサイズ調整が楽
ポリスチレンフォームのデメリット
- 値段が高い
- 熱に弱い
省エネ基準で断熱材を比較!
断熱効果が高ければ高いほど、省エネ効果が高いと言えます。
省エネ基準は熱伝導率で比較します。
熱伝導率とは、どのくらい熱を伝わりやすいかを数値で示したもので、この数値が低いほど断熱効果が高くなります。
断熱材の省エネ効果ランキング
【1位】フェノールフォーム・・・0.022W/(m・K)
【2位】硬質ウレタンフォーム・・・0.034W/(m・K)
【2位】ポリスチレンフォーム・・・0.034W/(m・K)
【4位】高性能グラスウール断熱材 32K相当・・・0.035W/(m・K)
【5位】炭化コルク・・・0.037W/(m・K)
【6位】ロックウール・・・0.038W/(m・K)
【7位】セルロースファイバー・・・0.040W/(m・K)
【7位】ウールブレス・・・0.040W/(m・K)
【参照:JFEロックファイバー】【参照:ウールブレス】【参照:ポルハコルク・ジャパン】
まとめ
断熱材は色々種類があって何がいいのか分からなくなってしまいますよね。
ここにあげた8種類の断熱材の中で最も多く使用されているのは、グラスウール、続いて硬質ウレタンフォーム、ロックウールです。
因みに家の場合は、吹きつけタイプの硬質ウレタンフォームの断熱材を使用しています。
どこの建築会社に行っても自分達が使用している断熱材が一番効果があると言います。
でも、どの断熱材にもメリットとデメリットがあることを知っておくことが大切です。
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