親や身近な親戚がなくなると相続の問題が出て来ます。
特に相続人が複数になる場合は時間がかかることもあります。
ではどの様に相続の手続きをすすめていき、相続した時にどれくらいの税金がかかるのでしょうか?
このページでは、相続の開始から税金を納めて不動産登記するまでの流れをお伝えしています。
①遺言書があるかどうか確認する
遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言があります。
公正証書遺言は、公証役場で問い合わせれば遺言検索システムにより遺言書の有無を教えてくれます。
問い合わせには、本人確認書類、戸籍謄本(亡くなった人の相続人である証明)が必要です。
但し、遺言人の生前は教えてもらうことができません。
自筆証書遺言は相続する人が自筆で書いたもので自宅に保管されている遺言書です。
秘密証書遺言書は相続する人が作成し、公正役場で公証人と2人以上の証人の署名もらった遺言書です。こちらも自宅に保管されています。
勝手に開封すると無効となるので注意が必要です。
②誰が相続人になるのか確認する
財産を相続できる人は民法により順番が決められています。
遺言書が無い場合は、この規則を基準に財産を分割することになります。
亡くなった人を被相続人、財産を受け取る権利がある人を法定相続人と言います。
法定相続人のうち、配偶者と子供は必ず相続人になります。
詳細は下記のページをご参照下さい。
③相続する財産が全部でいくらになるか評価する
相続する財産で問題になるのは家や土地などの不動産です。
不動産はそのままでは価値が不明のため評価額でどれくらいになるのかを把握する必要があります。
評価額をいくらか把握するのはどれくらいの税金がかかるのかを知るためです。
不動産をの評価にはルールがあります。
家の場合は、基本的に固定資産税評価額がそのまま価値となります。
土地の場合は、以下の2つの評価方法があります。
固定資産税評価額に地域や土地の種類毎に定められた倍率を掛けて計算する倍率方式
【土地の固定資産税評価額】 × 【倍率】
道路毎につけららて路線価により評価する路線価方式
【1㎡当たりの路線価】 × 【土地面積】
※路線価と倍率は「国税庁の路線価図・評価倍率表」を参照下さい。
固定資産税評価額は市区町村が管轄していますが、年に一度送られてくる固定資産税の納税通知書で確認することができます。
例えば、特定居住用宅地として330㎡までの評価額が80%減額されるので、本来の評価額の20%になります。
また、事業用宅地にも使え、特定事業用宅地として400㎡までの評価額が80%減額されます。
④相続放棄・限定承認の意思表示をする
財産よりも負債が多い場合は相続放棄を、プラスの範囲内で財産を引き継ぐ場合は限定承認の手続きを行います。
この手続きは、被相続人が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要が有ります。
⑤準確定申告(被相続人が亡くなった年の所得の確定申告)を行う
⑥遺産分割について話合う
1, 遺言書があればその内容の通りに分割
遺産分割は遺言書の内容が優先されます。
2, 遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する(遺産分割協議書書式)
遺産分割協議は相続人全員で話合う必要が有ります。
遺産分割の4つの方法
- 指定分割・・・被相続人の遺言により分割
- 協議分割・・・相続人の話し合いにより分割
- 調停分割・・・家庭裁判所を通して相続人が話し合って分割
- 審判分割・・・家庭裁判所の審判による分割
分割の方法
- 現物分割・・・遺産をそのままの形で分けるが不動産の場合はトラブルになる可能性もある
- 換価分割・・・遺産の一部又は全てを売却して現金にして分割、公平に分割できるが所得税がかかる
- 代償分割・・・相続人が不動産などを相続しその不動産を相続した人が他の相続人の受け取り分を現金で支払う
⑦相続税額を算出して支払う
相続税の算出は下記のページをご参照下さい。
相続税の支払い方法
相続税は被相続人が亡くなった日(相続開始日)の翌日から10ヶ月以内に申告して納付する必要が有ります。
一括納付が難しい場合は分割納付も可能です。
また、現金で支払うのが難しい場合は現物による物納も申請できます。
いずれも税務署の審査を受けて許可を受ける必要があります。
⑧不動産相続登記
不動産の相続は登記することで完了します。
亡くなった人から相続人に名義を変更することを相続登記といいます。
相続登記の手続きに期限はありませんが、後々のトラブル防止のために早めに登記することをおすすめします。
手続きは司法書士に依頼することが多いですが、自分ですることもできます。
法務局に行くとやり方を説明してくれます。
まとめ
遺産を相続すると相続人が複数の場合は話し合いが必要になったり手続きに手間がかかったりします。
しかし、放って置くと後でますますトラブルになって大変なことになるかも知れません。
例えば、被相続人に借金があった場合は亡くなったことを知ってから3ヶ月以内に手続きをしないとその負債まで相続してしまう可能性があります。
なるべく早く手続きを済ませ後悔しないようにしたいものです。
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